SPECIAL

SS

これは、元帥閣下である姫が皇族公務で不在の数日間、
E.G.I.Sのメンバーが今後の護衛任務向上のためのスキルアップ合宿を行った記録である――

Private Tactics Special short story File No.004担当:ソーマ・L・ロシュフォール

おはよう。朝一番は俺が担当する

リオン、元気だね……ふぁ~……眠い……

インくんは何時も眠いでしょ?

まったく、不真面目すぎる

そういう誰かさんは、昨日の肝試しと怪談で醜態晒してたよね~?

なっ!? 僕よりローランさんの方が

はぁ!? オレよりジンの方が怖がってただろ!

どっちもどっちだったよ?

……………………………………

……一応、スキルアップのカリキュラムなんだが……遊んでるみたいになってんな

俺の修練は遊びではないから安心してほしい

ソーマは真面目だからな。で、何をするんだ?

俺の魔法属性を利用した訓練だ

……なぁ、すげぇやな予感すんだけど……

オレもだよ……

何をこそこそと話しているんだ?

な、なんでもないない!!

水魔法使うって、俺たち生きてられるかわからないんだけど~

インくん!

言っちまいやがった!!

イン! 失礼だろう!!

え、事実だし~? 俺はまだ死にたくないんだけど~?

溺れるようなら魔法を止めれば問題ない

真顔で言うな……怖ぇから……

そ、そうですよね! さ、訓練を始めましょう!

うわぁ~……

何か文句でもあるのか

別に~面倒だからさっさとやろ~





なんか思ったより普通だね

腰まで浸かって移動する訓練はよくやるしな

ほら! ソーマさんだってやればできる……

中佐殿。それ、褒めてねーぞ?

ほーんと、バカジンはバカジンだったね~

なんだと!?

おい! 隊列崩すなよ! 流されんだろ!!

うるさいなぁ……流水は結構面倒だけどね。命の危険がなさそうで良かったよねぇ~

そうだね……って、ねぇ、なんか流れ早くなってない?

おい、ソーマ! ちゃんと制御しろよ!

やっているが、どうも加減が上手くいかないな……これぐらいか?

ソーマさんっ! 水が増えてます!!

このままだとアリスちゃんが最初に水の中に!!

シモン、てめぇ!! って、おわっ!? マジでやべぇ!! ぶはっ!

水の流れを緩やかにしたはずだが、何故ローランは溺れている

全然緩やかじゃないですからね!?

リオン……俺も流される~……

ソーマ! 魔法止めろ!!

ソーマさん! 止め、てくださ、い!!

了解した

だから、あの! 足がつかなくなってるんですけど!

もー流されてもいい~?

流されんな! ちゃんと流れに逆らえって!

そうは言っても、先頭のローランさんが見当たりません!

ぶっは!! だから、なんで津波になってんだよおおおおおお!!





……大丈夫か?

……お前に微調整ができると思った俺の落ち度だ……

(ぐったり)

……インくん、大丈夫?

死ぬかと思った……

訓練で生死の境を彷徨うとは思わなかった……

次はもっと精度を上げよう

次はねーよ!


To be continued