SPECIAL

SS

これは、元帥閣下である姫が皇族公務で不在の数日間、
E.G.I.Sのメンバーが今後の護衛任務向上のためのスキルアップ合宿を行った記録である――

Private Tactics Special short story File No.001担当:ジン・クレーフェルト

あー……今日からお嬢が不在なんで、E.G.I.Sのスキルアップ合宿を行うことになった

……隊長、きちんと説明してください

これ以上でもこれ以下でもねーんだからわかるだろ

隊長!

んなこと言うならお前が説明しろよ。参・謀・殿

どっちでもいーから話進めてよ……

とりあえず、パワーアップすりゃいいんだろ?

アリスちゃん、それは雑すぎるでしょ

その呼び方やめろって言ってんだろ!?

えー? 良いじゃん。可愛くてさ

このっ!

……ジン、そのデータを全員の端末に回せ

え、あ……はいっ!

姫は皇族公務のため、数日ラフィア城から出ないため護衛が必要ない。
そのため、親睦を深める目的も含めこの合宿を隊長が立案した。
ここまではいいな

……続ける。
ジンの立てたスケジュールを各々参照。
それぞれ講師を担当し、他者に教えることで己のスキルを向上させ、他の者は新しくスキルを会得する。
それが今回のカリキュラムだ

ソーマ、サンキュー

本当なら隊長がこの説明をするんですよ!?

持つべきものは優秀な部下ってな

それで~? 最初はだれがやるの~?

インくん、既に寝そうなんだけど……

クリス=シモン。余計なこと言わないでよ。
こわーいジン中佐が睨んでるじゃん

……最初は僕が担当する〝戦術学〟だ。寝たら解ってるな?

げぇ……一番眠いのきた……

オレも寝そうなんだけど……

アリスちゃん座学苦手だもんねぇ。
やっぱりあれかな、小っちゃいから頭のなかも……

上等だシモン! 表出やがれ!

暴力反対!!

何やってんだ、あいつ等……。で、戦術学っつてもチェスでやんだろ?

チェス? チェスで戦術学を教えるのか?

チェスは戦略も戦術も必要なゲームです。何故、ゲームを選択したか、ですが……

なるほどな

数名、座学が【苦手】な人がいますからね

うわー。それって俺のことだよねー。……っていうか、クリス=シモンとアリス=ローランいないよ?

は? いない?

追いかけっこしながら外行ったけど~?

イン、何故止めなかったんだ

え、俺があの二人止められると思う?

一緒に出て行きそうだよな

出てったらバカジンに怒られるだろうから面倒だったんだよね~

なっ!? なんだとっ!?

ジン、うるせーっ……出てっちまったもんは仕方ねぇんだし、そのうち帰ってくるだろ

……隊長、それでは合宿の意味が全くないが良いのか

ちょっと、リオンこいつどうにかしてよ……

…………………………

イン! そもそもお前は普段の態度から全くだらしなくE.G.I.Sである誇りを……

…………………………

…………………………

……収拾つかねーな

ちょっとそこの二人~見てないで助けてよ~


To be continued