それは、女神が「うた」を奏でて創った世界。
全ての命は「アリア」と呼ばれ、世界を守るために存在していた。
それが幼い女神の定めた、最善の理だった。
とある時代に降臨した女神は、
「アリア」たちの嘆きを受けいれ、世界の理を変えた。
変わらぬ永遠と引き替えに、
「アリア」たちは変化という自由を得る。
女神は全てを「アリア」たちに託して去り、
女神の物語も、理の物語も、全ては遠い伝説となった。
多く遺された「アリアのうた」だけは、
それらの過去が真実であると語る。
限りある恵みと共に永い年月を経て、世界は発展していった。
しかし、57年前に突如訪れた天変地異。
世界は一瞬にして暗闇となる。
その後、太陽は力を取り戻すも、
その光は日に日に弱まり、世界は恐慌に陥っていた。
育たない植物、弱り、死んでいく生き物たち。
飢餓から逃れようと、限りある恵みを求め、
生き残るために殺戮が繰り返された。
ティンダーリアの樹の元で、
かつての女神アリアの復活を望む者が現れたのは、
当然のことだった。
女神アリアを祭る神殿は人々に約束する。
女神を定める「メシャリア」を選定し、
もう一度、世界ティンダーリアに女神を復活させることを。
そして、女神アリアの名において、
かつての世界の理、永遠の恵みを呼び戻すことを。
いのちは多くを欲し、偽りの輪廻をめぐる
見届けよ、誰が世界の終焉をうたうのか
何が真実なのか――