SS

■収容施設内 実験室

皆、揃った……かな。そ、それでは始めます。
きょ、今日で第6回目となるこの会ですが……。
ちょっと待て。
景斗……お前かしこまりすぎだろ。
発表会じゃないんだから、もっと気楽にやりなって景ちゃん!
ごめん、緊張しちゃって……。
つーか、なんで景斗がやってんだ?
仕切り担当は郁人じゃなかったっけ。
さっき突然、代わりにやってって頼まれたんだ。
よくわからないけど、疲れたんだって……。
そうそう、誰かさんのせいでね。
ってことで、今日は景に任せるから。
いっくんをそこまで追い詰めるなんて許せないな。
まず、その誰かさんというのが誰なのかを教えてほしい。
僕が解決してあげるよ。
おま、察しろよ……どう考えても一人しか居ねえだろ。
そんなわかりやすい人物なの?
うーん、だとしたら一人しか居ないよね。
ここで名前を出すのは可哀想だけど、いっくんの為だ。
答えは、ずばり……りっちゃんでしょう?
なんで俺!?
そして違う。
あれ、ハズレ?
いっくんを困らせるほど面倒くさい人物って言ったら、
りっちゃんしか居ないのに……。
ざけんな、テメェだけには言われたくねえよ!
あー……またいつものパターンになってる。
景、無視して進めていいよ。
えええ……はあ……やだな。
俺こういうの苦手なのに……。
じゃあ俺やりたーい!景ちゃん代わって!
お前は引っ込んでろ!!
なんでよ!やりたいっつってんじゃん!
自ら立候補してるっていうのに、止めるなんて酷いよ!
代わったところで、ろくな結果にならねーだろうが!
いい加減学べよ、屑!!
そこまで言わなくてもいいじゃんかー!
連ちゃんはいつからそんな不良になったんだ!!
まあまあ、春。そんなに大声を出さないで。
確かに……春には安心して任せられないよね。
ここはいっそ僕が――
それは絶対に嫌だ!!
どうしていつも全員揃って拒否するのかな?
頼くんがやるくらいなら、俺が頑張るから……!
そ、それじゃあ始めます!
えーと……今日は、『一問一答』だって。
俺たちが施設側からの質問に答えていけばいいみたいだよ。
へー!なんだ簡単じゃん。早速はじめよ。
えーとまず1問目は……。
……ッ!?
ん?どうした、景斗。顔引きつってるぞ。
なんて書いてあんだ?
も……もしも明日命が終わるとしたら、やり残したことはありますか?だって。
なんだそのシャレになんねー質問は!!
ホントだよ笑えないって!!
施設の奴ら、俺らのこと助ける気あんの!?
ないね?これ死ぬの確定だね!?
わかった。これは施設側からの宣戦布告なんじゃないかな?
いいよ、乗ってあげようじゃないか。
僕達を怒らせたらどういうことになるか試して――
うわわわやばいやばい!
頼ちゃんキレちゃう!!
待て頼!落ち着け!!
何かの間違いでたまたまこの質問になっただけかもしれないだろ!?
な!?
景斗!はやく次の質問に行け!!
頼がキレたらやべーぞ!!
わ、わかった!えーっと……次ね……。
人生最後の日に食べたいものはなんですか?
ちょっとさっきからなんなのこれ!?
やっぱり喧嘩を売ってるってことでいいんじゃないかな?
さ、そういうことで僕は――
頼待て、話をしよう、な!?
とりあえず俺の目を見て、深呼吸をしろ!
知ってるか?深呼吸をすると気分が落ち着いてだな……!
頼くん、まだ質問あるから落ち着いてよ。
景、次のはなんて書いてあるの?
えっと……あなたには愛する人がいます。
お? 普通の質問ぽい……。
愛する人に伝えたい最後の言葉は――
それ以上言うな!!
つーかまたかよ!!なんなんだよこれ!!
もうその紙捨てて!
それ今すぐ抹消して!!
あー……抹消か。いいね抹消。
この施設の人間を全員抹消してこよう。
春!テメェ余計な事言ってんじゃねーよ!!
今の俺のせいなの!?ちがくない!?
大丈夫だよ、みんな安心して。すぐ終わらせてくるからさ。
その台詞のどこに安心する要素があるんだよ!!
おいお前ら、この部屋から頼を出すな―――!!

5人はその後、頼を説得するという
地獄のミッションへ立ち向かうのであった……。

To be continued...