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■収容施設内 実験室

あー……また始まっちゃったよ。今日で、４回目だって。
月１なのに、最近頻繁に顔合わせてる気がするな……。
仕方ないよ、存在感の濃い人が居るから……。
もしかして、それって俺のこと？　なんか、照れちゃうな～！
ちがうよ、僕でしょ？
いやいや、俺だよ。ね、みんな！　俺だよね！
いーや、存在感でいったら僕の方があるよね？
うん、どっちも。っていうか、さっきの褒め言葉じゃないから。
え！？
両方うざってえよってことだろ。
それしかないだろ、今の流れ。
はああ！？　みんな、どうしてそんな酷い事言うの！？
言われても仕方ねえ事ばっかしてるからだろうが！！
もう。心無い子たちだなぁ。
本当だよね！　優しさってもんがない！
わあ……あれだけのことしておいて被害者面……。
あー……もう面倒くさいから放っておこう。
はい、今日もさっさとやる事やって、さっさと終わらせるよ。
だな。で、今日は何すんだ……？
施設側から指令が来てる。
は？
なんでも自由にやっていいとか言ってなかったか？
前回の頼くんの暴走で、自由にやらせたらまずいって事に気づいたみたい。
言わんこっちゃない……。
え～？　なになに、僕のせいなの？
あたりめえだろ！
テメエのせいで、毎回こっちは疲弊してんだよ！
うそ！　俺たちは楽しいのにね！
ね。
あのくらいで疲れるなんて、みんなってばお子ちゃまだなぁ。
おい……こいつ、いつかぶっ潰そうぜ……。
ああ。絶対に許さねえ……。
……郁人、指令ってどんなのが来てるの？
えーとね……『６人全員で、あいうえお作文を作れ』だって。
あ、あいうえお作文……。
随分とまた、偏僻なモン持ってきやがったな……。
おお！
いいじゃん、絶対楽しいよ！　やってみよう！！
いっくん、お題は？
『おさななじみ』だってさ。
んーと順番は……トップバッターが連くんで、その次が律にぃ、それから春くん、頼くん、僕、景斗の順だって。
え、マジ？　俺が一番最初かよ……。
がんばって！　それじゃスタート！
『お』……「大きな喧嘩をしても」……とか？
『さ』……あー……「最後には仲直りができて」……。
『な』……「なんでも言い合える」！
『な』か……「仲間だからこそ」！
『じ』～？　うーん……「じっくりと」！
『み』、「みんなで最期の時を迎えよう……」
！？
いやいやいやいや！　なんで死んだ！？
途中までいい感じだったのにな……。
だって……幼馴染の俺たち全員が一緒なら、最期の時も怖くないでしょ……？
いや、お前がこえーわ……。
じっくりと最期の時を迎えるってなんだよ……。
闇が深すぎる……。
ネガティブだなぁ、景ちゃん……。
いや～……これ景ちゃんを最後にしたの間違いだったね……。
一気に雰囲気がお通夜モードになっちゃったね……。どうするのこれ。

――終了を知らせる施設内アナウンス

ええええええ終わり！？　この空気のまま！？　暗い！！
ご、ごめん……俺がみんなのテンションさげちゃって……本当にごめんなさい……俺なんか……居ないほうがいいよね……。
うわああ違う！！
違うよ景ちゃん！　大丈夫、景ちゃんは悪くないよ！
俺なんか……俺なんか……今すぐ消えたほうが……。
おいおい、どうすんだよ。ネガティブ発動しちまったぞ……。
そうだ……それこそ、みんな一緒に消えたら怖くないよね……！
僕の力で……この部屋の空気を……。
は！？
うっ……あ、あれ……なんか酸素どんどん無くなってない……！？
うわあああ景ちゃんやめてーー！！
ちょっと！　誰かなんとかしてよ！
るせえな、人に頼む前にテメエがなんとかしろよ！！
僕はやらないよ、面倒くさいじゃないか！！
テメエついに本音言ったな！！
やめろ景斗！！　おい、聞いてんのか！！　景斗ーーーー！！

――その後、なんとか必死に景斗を説得し、助かる５人であった……。

To be continued...