――今から十年前。
当時十七歳だった飛倉奏空は「SKYRIUM」のボーカルとして、日暮 茜の兄である楓と共に活動していた。
伸びやかで綺麗なソラの歌声は、新進気鋭の学生ボーカルバンドとして話題になり、
若い世代を中心に人気となっていった。
――そして、今から三年前。
「RUBIA」として活動していた日暮 茜が
一部メンバーを新たに「RUBIA Leopard」を結成。
圧倒的な歌唱力と共にビジュアルと技術を増した新生バンドは
メジャーデビューするや否や飛ぶ鳥を落とす勢いで人気となり、
音楽業界に名を馳せていった。
ボーカルが羽ばたくために創られた空。
選りすぐりの実力者で成功を約束された未来。
今回は、飛倉の過去と「Impish Crow」の現在、
「RUBIA Leopard」の結成とデビューへの物語をお届けします。