Vol.4 楊
Track 02 報奨

外出先で、楊は主人公への褒美として、服や装飾品などなんでも好きなものを買い与えると言い出し……。


「自国の文化を押しつけねば満足できんような、愛国心溢れる男だとでも思っていたか」

「西洋の服を着るな、などと狭量なことを言うつもりはない。事実、つい最近も、おまえのために洋服を買い与えてやったろう?」

「それとも――もう忘れてしまったのか?この俺の真心を……」

「そうか。覚えていないのであれば、おまえの服などすべて火にくべてやろうかとも思ったが」

「無用な心配だったな。おかげで、鼠の巣が焼け落ちることもない。物覚えが良くて何よりだ」


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